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これからキャリアを築こうとする駆け出しの指揮者にとって、世界的に活躍するマエストロの薫陶を受け、多くのことを伝授してもらうことは何にも代えがたい財産となるだろう。ダニエル・ハーディングにとって、良き師となったのがサー・サイモン・ラトルであり、クラウディオ・アバドであったのは幸運だった。なぜならこの2人は、19世紀以降の主流となっていた指揮者による独裁的なオーケストラ統治や、新鮮味に欠けるルーティンなプログラミング、伝統に束縛された演奏スタイルなどとは無縁であり、音楽の創造においても常に新鮮で、聴衆にアピールする新しいスタイルを模索し続けているからだ。
1975年8月31日に、イギリスのオックスフォードで生まれたハーディングは、1991年1月、サー・サイモン・ラトルと初めて会うことになり、それが実質的なオーディションとなった。ラトルのアシスタントになったハーディングは、1994年、18歳の時にバーミンガム市交響楽団を指揮して本格的にデビューを果たす。1995/96年のシーズンにはクラウディオ・アバドのアシスタントを務め、1996年にはベルリン・フィルを初めて指揮。ロンドン交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ドレスデン・シュターツカペレほか、欧米の主要オーケストラに客演して広く名前が知られるようになり、1997年にはノルウェイのトロンハイム交響楽団首席指揮者に就任。初めてのポストを得る。
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